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流浪の神社「日比谷神社」
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第一京浜(国道15号線、旧東海道)を上っていくと新橋手前、汐留高層ビル群の狭間に
見えてくるのが、この小さな新築神社、『日比谷神社』です。
「ここ日比谷じゃねーだろ」「小っちぇー」「金ぴかー」色々ツッコまれそうなこの神社。
でも「見覚えがある鳥居と社名だな」と思う人もいるのでは?

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そうここは日テレ・マイスタ広場にある『ごくせん神社』の本源となる神社なのです。
ほら、鳥居の向こうにそびえるあの鉄骨ビルが日テレタワー。こんなに近く。

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流浪の神社「日比谷神社」_b0066893_23161625.jpg僕はこれを見た時、「あれ、あの鳥居をそのまま持って来て
しまったのか?」と思ってしまい、急いで確認するために
日テレタワーに行ってみたら、あったあったありました。
そんな横着しませんよね。ジブリ時計の向こうにひっそりと、
一頃の活況はないものの、まだまだ存在しておりました。
ほら「新橋日比谷神社」と書いたのぼりと鳥居の文字。
ここは日比谷神社から御霊を移したれっきとした分社。
以前は「新橋日比谷神社汐留分社」と書いてありました。

でもごくせん神社の人気に便乗したいのか?
と勘繰りたくもなる、この建て直したばかりの日比谷神社。
実は新築だけでなく、移築なんですね。御霊を移したのは
今年の7月31日。それまでは違う場所にあったんです。

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ひと月前まで残っていた姿がこれ。小さいながらも、なかなか落ち着いた佇まいでしょう。
ところが鎮座するこの場所が悪かった。──『マッカーサー道路』なんですねぇ。
マッカーサー道路のまっただ中にあったこの神社。取り壊しは最後に残してあったようです。
神社を壊すのは良い気分じゃないもんね。これが田舎だったら神社だけでなく
樹木や石やお地蔵様まで、“たたり”があると言ってそのままにするところは多いはず。
でも東京はそうはいかない。それに、この日比谷神社には前例があるんですね。

なぜ新橋なのに日比谷神社か。それは元々は日比谷にあったから。
現在の日比谷公園の大塚山というところに江戸時代の前から鎮座したものが
その後、慶長年間には江戸城日比谷御門造営のために芝口( 現在の東新橋)に遷座し、
明治以降は鉄道線建築のためにこの地に遷座しているという、それがまた……。
御上の都合で移転を繰り返す可哀想なお社なのです。ここは安住の地となるのか。
それにしても、『鹿嶋神社』といいここといい、新しい神社は樹を植えないものなのか?
木々が鬱蒼としているのが神社というものじゃないのか?

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さて、例によって狛ちゃんの紹介です。神社に合わせてか、小作りの狛犬一対。
移転前は台座もなく、拝殿の前に直に置かれていたものがこんな立派な御影石の台座の上に。
逆に違和感があると言えなくもないが、いままでの苦労が報われたと思えなくもない。
制作年代不詳。でも、妙に可愛いと思いませんか?



※追記:やはり撤去。ごくせん神社はこの年9月まででした。
by yattokamedagaya | 2009-09-27 23:48 | Temples & Shrines | Trackback | Comments(0)
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