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先日お見せしたあのメタル物です。まるでターミネーター最新型のようなネーミングでしょ。 もっとも、あっち系の“メタル”仲間では液体金属製ボディのT-1000型にも似た輝き。 これがスチールフレーム・テニスラケット、『Wilson T2000』です。 今年はサッカーに話題が集中してるけど、ウィンブルドンも今準々決勝なんですよ。 ところがこのT2000はトッププロでも使っていた。あのジミー・コナーズの愛用モデルなんですね。コナーズはほとんどのプレーヤーがミッドサイズやラージサイズになっても、しばらくはこのラケットを使用していたほど。購入当時は、そのコナーズ、ボルグ、マッケンローの全盛期で、テニスブームのまっただ中です。コナーズのプレースタイルが好きな人は多かった。でも、ラケットまで買うのは無謀というものかも。 これはコナーズがベストなプレーをするためのラケットなんです。つまり、フラットなボールをネットすれすれの弾道で相手コートに叩き込むタイプのプレーヤーに最適なラケットということ。でもそういうタイプは、当時プロでももう少ない。リスクが大きいんですね。アマチュアならなおさら。皆楽々トップスピン系に移行して行ったのです。 とは言え、所詮はサンデープレーヤー。それほど自分のスタイルにこだわるわけじゃない。ところが使っているうちに新たな問題に気がついたんですね。これ、下手な店では、ガットがまともに張れないんです。 見てわかるように、このT2000は特殊な構造なので、他のラケットとは張り方が違っていて難しいんです。今ではマシンも対応しないし、張れる人もほとんどいないらしい。当時でも皆が皆できるわけじゃなかった。「張れる?」と訊けば皆「大丈夫です」と言うんですけどね。ねじれるのかな?それらしく張ってはあっても、使うとすぐに切れる。サンデープレーヤーのガットなんて、一度張れば一生ものですよ、普通は。3回くらい続けて切れてさて困った。今のようにネットで調べることもできないし。 そんな時、たまたま雑誌を見ていたら『セイコースーパーテニス』で招待されたコナーズが、日本でガットを張ったショップが紹介されていたんです。コナーズのラケットが扱えるなら間違いないはず、でしょ?場所は池袋。だから松阪から上京しましたよ、僕は。ラケット1本持って。まあそれだけのためじゃないけれど。でもおかげでさすがにその後切れたのは1度だけ。コナーズのラケット担当者が張ってくれたとは限らないけど、お店の技術は信頼できるものだったというわけです。 さてこのT2000。同じ構造のシリーズとしてT3000、T4000、T5000、TX3000があり、今ではクラシックラケットとして人気があるらしい。程度が良いものなら10万円くらいだとか。僕のはもう錆び錆びで、フレームも多少変形していて、グリップもテープも何度も交換しているから、価値はないだろうけど。 覚えていますか?シリーズ 1 スナッフィー 覚えていますか?シリーズ 2 サバイバルツール
by yattokamedagaya
| 2010-06-30 18:53
| Sports & Health
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Comments(8)
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まつお
at 2010-07-01 09:05
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ううむ、これガット張るのが難しそうですね
中学時代軟式テニスをやっていて、ガットは自分で張るのが当然の世界でした 途中まで張り進んだガットのテンションを維持するのに千枚通しを使うのですが このラケットには千枚通しを挿す穴が無いじゃないですか 現役当時はナイロンガットなんて初心者向けの低価格品にしか使われておらず 当たり前のように天然ガットでしたが、梅雨の季節は管理が大変でした 湿気で伸びたり膨らんだりするんです。雨の中で使うと、まるでうどん 打球が伸びないのはまだいいとして、すぐに切れてしまう 買ったばかりのラケットを部室に置いていたら 一度も使わないうちに3箇所も切れてしまっていたのはガッカリでした
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harusion11 at 2010-07-02 00:33
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yokusang_09 at 2010-07-02 01:29
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yattokamedagaya at 2010-07-02 07:28
*まつおさん
へえ、軟式やってたんですか。 軟式ラケットもデカラケになったんですね。当然だけど意外(笑)。 今でもあの打ち方をするんですかね。グリップ持ち替えなしのウエスタン。 昔の木の頃は普段からメンテナンスをしっかりしないと 歪んだりガットが切れたり、大変だったようですね。 これ、穴がないですからね。外に引っ張り出すことが出来ないのに どうやって張るのかもよくわからないです。 それに穴があれば少なくとも位置は間違いようもないんだけれど これは多少ずれていても、ねじれていても、通す方向を間違えていても 一応張れてしまう。熟練者でないと、切れて当然なのかもしれません。
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yattokamedagaya at 2010-07-02 07:33
*haruさん
これ、昔話ですよ。もう10年くらいやってないかもしれません。 東京は予約したり、面倒くさいんですよ。 田舎なら行けばいつでもコートを使えるのに。 観るのも、やるのも、何年に一度か流行がありますね。 今はサーブの比重が大きくて、観るのはこの頃より面白くないです。
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yattokamedagaya at 2010-07-02 07:40
*よくさん
そうそう、よくさんの記事が発端でもあります(笑)。 最初松阪の、近所のスポーツ店で張って、すぐ切れて 次に名古屋の馴染みの店(もうないけど)で張って、これもすぐ切れて 同じ店でもう1回やり直してもらって、1月保ったかな。でも切れて、 あまり関係を悪くするのもなんだな、と思って(笑) 最初ラケットを買った店に持っていって、結局ここでもすぐ切れて。 そんな状態でした(笑)。
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つっか
at 2016-09-14 00:14
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なつかしい!!
貴重な写真、ありがとうございます。 コナーズは私の神でした。 T2000のガット、どうやって張るのか、初めて知りました。 やはり難しかったんですね。 私がテニスやり始めてしばらくして生産中止になったんで、実物に触ったこともないんですが、とにかくコナーズのラケットということで、あのメタリックな輝きにひたすら憧れてました。 ウィルソンのラージサイズに変えて、1984当時圧倒的な強さを誇ったマッケンローに対し、全米OPでフルセットの接戦を演じましたね。負けたけど、まさかあそこまでやるとは思わなかったので、ドキドキしましたね。 そのあとセイコースーパーテニスでレンドルを2-1で、3セット目は6-0で勝ったりして、やっぱラージサイズのラケットは違うなー、と思ってたら、何年後かののサントリーカップ(エキシビジョン)で、またもT2000に戻して、もはや誰一人使っていないレギュラーサイズのラケットで、エドバーグやビランデルを破って優勝しましたね。ビランデル戦も2セット目を6-0で取ったような。あのとき、T2000がさらに驚異的な輝きを放って印象を強めたものです。 まあ、フラットボールを自在に操れる天才のコナーズだからこそ、あのラケットで勝てたんでしょうが。 長文すみません。 突如見かけて、あまりのなつかしさについ・・
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yattokamedagaya at 2016-09-14 11:08
*つっかさん
こんにちは。僕もこの記事は懐かしかったです。 実物は錆び錆びですけどね。錆びるラケットってこれだけでしょうけど(笑)。 これは自分のものを撮影したんですが、売っていたものはグリップのテープは黒ではなく この1/3幅の茶色です。このプラスチックグリップも簡単に割れたんですよ。 コナーズはカッコいいんですよね。特に写真が皆、ポーズが決まってる。 ボルグは目を瞑るし、マッケンローは変幻自在だから写真に撮ると意外にカッコ悪いんです。 1984年というと、全英の頃はまだT2000でしたよね。 レンドルに勝って、あれでレンドルの頭をぽんぽんやってましたよ(笑)。 その後にラージに変えたんですね。思い出させてくれてありがとうございます。 まだあの頃は、アメリカでもマッケンローより人気があったでしょう。 あのラケット(プロスタッフ)はウイルソンとコナーズの共同開発なので 使いやすさもあるだろうし、契約上使わなければならなかったんでしょうね。 でも本人はT2000のフィーリングが好きだったんじゃないでしょうか。 確かに誰でも使えるラケットじゃないですから。コナーズの左手の延長です。 ラケットとプレースタイルは関係ありますよね。あの頃は3強(4強)が 皆プレースタイルが違っていたのは、ラケット性能が低いからというのもあるでしょう。 高機能になると、勝つためには皆似たようなスタイルにするしかないので。
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