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カタカナ語はお好き?
 コンセンサス、プライオリティー、スキーム、アウトソーシング、コンプライアンス、アセスメント……もううんざりだ。日本語で言え、日本語で!!
 最近仕事でもテレビでもこんな言葉ばかり。それもガキがいきがって使うならまだ許せるけれど、いい歳こいたおっさんが(これもいきがっているのか)一番使ってるじゃないか。たぶん英語は話せない人たちが。
 全部使うなと言っているわけじゃない。いまさら手後れだし、外来語を使うのも日本語文化の特徴なんだろう。日本語にできない言葉もあるし、カタカナ語の方がピンとくる言葉もある。でも最近何でもかんでもカタカナ語に“訳して”ないか?

 “訳す”と言って間違いではないはずだ。ほとんどの言葉はそれにあてはまる日本語があるんだから。冒頭の言葉も、合意、優先事項、計画、外部委託、(法令)遵守、査定で問題ないはずだ。特に語尾に「ティー」とか「ティブ」という接尾辞が付く言葉は、わざわざ使う必要があるんだろうか?文もだらだら長くなるし。
 それに訳すと言っても“カタカナ”にだよ。英語圏の人に聞かせるわけじゃなく、対象は日本人だけなんだ。

 話すということ、書くということは、自分の考えを他の人間に伝えるためにあるんだろう?こんな言葉を使えばストレートに心に響かないことくらい、よほどのおバカさんでなければわかるはずだ。なのになぜその利口な人たちがこぞって使うのか?それはもっと別のことを伝えたいからに違いない。

 「オレって頭良いだろ?」

 つまりこういうことだ。「私はこのような新しい言葉を使いこなせます。私は世の中の最先端で生きている人間なのですよ」ということをアピールするために使うんだ。違うか?

 でもカタカナ語使うと頭良く見えるかな?僕にはそうは見えないけどな。戦後じゃあるまいし、21世紀にもなってまだこれかよ、という感じで。いまだにアジアに強気で欧米には弱気。欧米で流行していることをいち早く取り入れることが良いことだ、新しいことだと思っている。
 言葉は特にそういう傾向にある。例えばセクハラ(セクシャルハラスメント。縮めるところも日本風)やストーカー。そんな行為は言葉が輸入される前からあった。それが言葉と同時に市民権を得たようになり、セクハラ、ストーカーとも言えないような些細なことまでも、アメリカにならえとばかりに大事(おおごと)にしてしまう。
 マニフェストも日本語にする言葉がないというような理由で政治の世界で流行したけれど、「政策宣言」でもいいじゃないか。「公約」とは違うというけれど、日本の公約がはっきりしなくて、その通りやらないというのが問題であって、しっかりやればそれを公約と呼んで何の問題があるんだ?それにアメリカではマニフェストはあまり良い響きの言葉ではないらしいぞ。

 まあ……でも……、こんなことを書くのは僕の反省の意味もあるんだけどね。
 僕らの業界は基本がアメリカで作られたということもあって、カタカナ言葉のオンパレードだ。何も考えずに使っていた頃もあった。「クライアントなんて生意気な言葉を使うな、お客様でいいじゃないか!」とお叱りを受けても、僕にとってはクライアントとお客様はハッキリ違うからという理由で無視していた。依頼主とは言いにくいし……。
 それでも最近はこう思う。やっぱり一番大切なことは相手に意図が正確に伝わるということ。それを第一に考えるべきだと。
 広告のコピーやネーミングはカタカナ語の方が伝わる場合も多いから、そういう場合は堂々と使ってもいいはずだ。それとは逆にクライアントなんて言葉は相手によっては使わない方がいい。違いは自分で認識していればいいことだ。同じ意味で、コンセプトも今では使わない。誰でも使っているこの言葉も、人によって捉えかたが全然違うからだ。

 カタカナ語を使う使わない、どこまで使うかは結局個人の自由。カッコイイと思う人は使えばいい。でもこれは使うべきではないという言葉もある。それは次回
by yattokamedagaya | 2005-04-21 12:56 | News & The World | Trackback | Comments(2)
Commented by yokusang_09 at 2005-04-21 23:03
あんましカタカナ(横文字)ばかり使ってると、
ルー大柴になっちゃいそうなので、気をつけようかと思いましたw
なんか、日本語でよーわからん言葉は
カタカナで言っても違和感ないんですけど、
高校の教科書で出てきたような英単語を使うのは
ちょっと抵抗アリですね。アグリーとか。
Commented by yattokamedagaya at 2005-04-21 23:57
*よくさん
「そうか〜い」って最近ルー大柴見てないんで芸風忘れました。

もうひとつ言えるのはストレートに言いたくない時に
カタカナ語を使うとワンクッション置けるということです。
「ある意味で〜」「ある種〜」と似たような効果があります。
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