ガケップチ・カッフェー2
b0066893_20281932.jpgタイトルと下のカットから何を連想しますか?そう、この漫画のネタ元は(たぶん)あの映画「バグダッド・カフェ」。怠惰なその日暮らしを続ける男の冴えないドライブインに、ふらりとやってきた謎の女──そんなよく似たシーンで始まるこの物語。でも舞台設定は同じでもこれはロマコメ(ラブコメ)。それも並の漫画とは少し毛色の違ったラブストーリーなのです。

最初は名前も、そして互いの過去に至ってはほぼずっと、何も知らないままに生活を重ねていくふたりの心の機微が、その絵のタッチとも相まって絶妙。これはストーリーよりも感覚で読む漫画です。


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1992〜93年に「モーニング」に連載され、単行本はこれ1巻のみ。数年前に古本屋で見つけて即買いしました。幻の名作とも言われ、続編・復刻を希望する漫画のリストには必ず載っている。各書評を読んでもほぼ絶賛のこの作品──なんですが……。その皆さん、この1巻の続きを読んだことはあるのかな?それを読んだ上で本当にそう思っているのかな?そこが疑問。はっきり言って、僕は読んでがっかりしました。誤解しないように。この第1巻収録分までは文句なく(もないけど)とても良かったんです。でも「モーニング」連載当時、この後の話(第2部から)は次第につまらなくなって行ったと言っているんです。

この作品の魅力は、作者大前田りん(Oh My Darling)さんの持つ独特な感覚。「独りよがり」──こう言ってもいいのかな(オリジナリティーというのとはちょっと違うような……)。まあそれも彼女のセンスであり才能なんですが、その感覚が読み手とシンクロしている時は非常に気持ちが良いんです。ところが、次第に彼女だけが勝手に先に行ってしまって、僕は付いて行けなくなってきた。あれ?なぜ?僕だけ?と思っていたんですが、そうでもないことを証明するようにその後数話続いて突然打ち切り。だからこのエントリーのタイトル「ガケップチ・カッフェー2」第2巻は永遠に幻になったんです。

漫画も芸術だとは思います。でもそれを認める読者があってのこと。マニア以外の多くの読者と感覚が離れてしまっては売り物にはならないでしょう。編集者もそう思っての打ち切り、別に珍しいことじゃない。と、インターネットもなかった当時はこんな形でとりあえず納得。その後大前田作品に出会う事もなく、結局、才能はあるんだけど、代表作1作だけで中途半端に散ってしまう新人さんのひとりだったんだな、という評価をしていました。

でも、これがちょっと違っていたようなんです。恥ずかしながら(というより完全に忘れていたので)かなり後になって知りました。彼女は作品こそ少ないけれど新人ではない。そしてもうひとつ。この時、彼女は心身症(当時の流行言葉)で描けなくなっていたらしいんです。

長くなるので今日はここまで。続きます。


※画像引用:「ガケップチ・カッフェー」大前田りん/講談社モーニング 1992年
作品はこちらで見ることができます。なんと1巻未収録の作品も。でも有料、しかも10月いっぱいで配信中止らしい。第1話の無料サンプルはこちら
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by yattokamedagaya | 2006-10-13 20:43 | Art & Entertainment | Trackback | Comments(0)
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